抜け毛は非常に大きなストレスになりますが、「筋トレをすると抜け毛が増えるらしい」という噂は本当なのでしょうか?
本記事では、筋トレと抜け毛の関連性について、これまでの医学的な研究結果を踏まえながら、エビデンスに基づいた答えを出していきます。
また、なぜ医学的に意義があるのかを説明し、実践的なアドバイスも行います。では、早速本題に入りましょう。
筋トレと抜け毛の関係を理解する
筋トレが抜け毛の原因になることは事実ですが、遺伝的な抜け毛と同じように起こるわけではありません。
実は、筋トレが原因で起こる抜け毛の種類は「牽引性脱毛症」と呼ばれるものです。牽引性脱毛症とは、長期間にわたって頭皮を引っ張ったり、引っ張られたりを繰り返すことで起こる抜け毛のことです。
このタイプの脱毛は、特定のスタイルのヘアエクステンションを付けている人に多くみられます。
頭皮の筋肉は小さく傷つきやすいので、繰り返し伸ばしたり引っ張ったりすると、抜け毛につながることがあります。
これは、頭皮の毛根が牽引されることにより、永久脱毛の原因となるダメージを受ける可能性があるからです。
筋トレによる緊張に加え、他の要因も牽引性脱毛症の発症につながる可能性があります。
例えば、長い三つ編み、きついポニーテール、コーンロウなど、毛根を引っ張るきついヘアスタイル、編み込みの使用、きついヘッドバンドや帽子、さらにはヘアエクステンションの使用などが挙げられます。
筋トレによる抜け毛の要因
筋トレによる抜け毛のリスクを高める要因はいくつかあります。
例えば、ウェイトリフティング、ランニング、エアロビクス、ボディービルなど、頻繁に激しい運動をすることが挙げられます。さらに、ヨガなどの軽い運動でも、長期間行うと抜け毛の原因になることがあります。
運動だけでなく、他の生活習慣も筋トレによる牽引性脱毛症の原因となります。例えば、急激なダイエットは、栄養不足を招き、抜け毛の原因となります。
さらに、ストレスは毛幹を弱め、張力によって毛根にダメージを与えやすくします。
筋トレによる抜け毛の予防と治療法
筋トレによる牽引性脱毛症は、予防や治療が可能なのが良い点です。
筋トレによる抜け毛を防ぐには、頭皮を緊張させないことが大切です。そのためには、きついヘアスタイルを避け、運動を定期的に休むことが大切です。また、栄養をしっかり摂り、ストレスと上手に付き合うことも大切です。
筋トレが原因ですでに脱毛している場合は、頭皮の緊張を和らげることで治療が可能です。
これは、ゆったりとしたヘアスタイルにし、きついポニーテールやヘッドバンドを避けることで可能になります。
さらに、頭皮の炎症を抑え、発毛を促進するために、コルチコステロイドローションが処方されることもあります。また、発毛を促進するために使用できる市販の製品もあります。
筋トレによる抜け毛に関する参考資料
筋トレによる牽引性脱毛症について詳しく知りたい方は、多くの資料があります。
米国皮膚科学会は、”Muscle Training and Hair Loss: What You Need to Know “という記事を発表しています。
さらに、アメリカ脱毛協会は、”Traction Alopecia “という記事を発表しています。What is it and Can it Be Prevented?” という記事を発表しています。
まとめ
結論から言うと、筋トレが原因で抜け毛が発生することは事実です。
このような抜け毛は牽引性脱毛症と呼ばれ、長期間にわたって頭皮に緊張がかかることで起こります。
筋トレによる抜け毛のリスクを高める要因としては、頻繁に激しい運動をすることや、食生活やストレスなどの生活習慣など、さまざまなものがあります。
しかし、筋トレによる牽引性脱毛症は、予防や治療が可能です。正しい生活習慣の改善や医療機関での治療により、筋トレによる脱毛を予防・治療することは可能です。
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